ポール・ケアホルムはモダンで機能的な家具をデザインする事で知られ、さりげなさとクリーンなラインは高い評価を得ています。彼の「機能の一部を形にする」という揺るがない信念により、そのデザインは余分なものがそぎ落とされ、時代を超越し、洗練され、かつ実用的なものとなっています。
ポール・ケアホルム(1929年生)はデンマーク美術工芸学校に学び,1952年から56年までは同校にて教壇に立ちました。1976年から1980年に亡くなるまでコペンハーゲン王立アカデミーにて家具デザインの教授として教鞭をとりました。
生涯を通して明快な構造と技術の質にこだわり、日用品の釘やネジに至るまでディテールを見せる事からも、そこに彼の信念が息づいているのを垣間見る事ができます。ポール・ケアホルムの家具はデンマーク・デザインの基準となり、彼がデザインしたオブジェもまた簡素で機能性を併せ持つものとして時代を先導しました。ちなみにPKボウルは私達のお気に入りのアイテムの一つです。
時を超えた表現には美しい経年変化を楽しめる素材を選ぶ事、これがポール・ケアホルムの哲学です。さらに彼は日頃からクリエイティヴィティと製作の両方に正確さを求めていましたが、彼が完璧と認めない物は1つたりとも世に送り出される事はありませんでした
当然の事ながら、彼のディテールへの飽くなきこだわりは高く評価され、ニューヨークのMoMA、ロンドンのV&A博物館、その他デンマーク、ノルウェー、スウェーデン、ドイツなどの美術館で常設展示されています。